■’99 MSC−20テクニカルダートトライアルin仙台
1999年08月29日

§1.プロローグ
 99年、C3に乗り換えてシーズンも半ばを過ぎた頃に、地元の地区戦で初優勝を飾ることができた。今年は勢いがあるうちにいってしまえ!!をスローガン(?)に活動してきたので、さて全日本はどうしよう・・・と考えていたのも事実だった。自分の中では2〜3勝してから・・・なんて思っていたが、周りの・・・というより鈑金屋(栗本自動車)社長の「全日本行こめぇ」という言葉に乗せられて、全日本北海道から出るつもりにさせられていた(笑)。
 しかし、北海道は諸般の事情からサービスだけにとどまり、次戦の仙台から出ることに決定したのであった。でも、いきなり「デビューしますー」って触れ回るのもカッコワルイので、ネット上はもちろん、身内でも一部の人しか知らない極秘プロジェクトとして全日本デビューはスタートしたのである。

§2.申し込み
 全日本戦に申し込むのなんか当然の事ながら初めてである。しかし、運良くか運悪くか仙台の主催クラブMSC−20の事務局長tachi氏はいつもネット上でお世話になっているのであった。で、デビューするってことは秘密ね!ってことを固くお願いした上で特別規則書を送ってもらうことにした。
 家に届いた特別規則書を見て申込書を書く。さすがにいつもと勝手が違うのでどう書いたらいいか迷ってしまう。しかしそれ以上に困ったのが・・・お値段の高さだ。中部地区の地区戦で12000円。他地区の地区戦で15000円。それが何と公開練習込みで4万円!!いくら全日本といえども高い!!高い!!高い!!と大いに騒いだのでした。
 そして届いた受理書・・・ホントに受理されてしまったのだ。しかも、デビュー戦だというのにC3クラス最初のゼッケンじゃない・・・でもまぁ、ぼくが走る頃はまだA4クラスの喧騒の余韻の中だからよしとしよう。とりあえず全日本デビューへ一歩前進。

§3.いざ蝦夷地へ!
 土曜日が公開練習、日曜日が本番というスケジュールだったので、当然金曜の晩に出発だ。全日本のためにみんなで買った3台積み。上にストーリアとCC4AベースのD車両、通称らっきょ号を載せ、一番大きなぼくのクルマが下に。とにかく積み荷が重いのでなるべく山道は走りたくない。ということで、東名−首都高−東北道というゴールデンコースだ。
 名神一宮インターから乗って、次に止まったのが東名海老名サービスエリア。ここまでぼくの運転でノンストップ。少し休憩してみんなでお金を出し合って5万円のハイカを購入、出発。運転手が3人以上いるので気が楽である。あとはぼくは休むだけ・・・
 気がついたら仙台宮城のインターを降りるところだった。コンビにで食料品を買い込み、一路仙台ハイランドリゾートへ!!トラックのキャビンの助手席に乗っていても鼻歌が出るぐらいの気楽さである。しかし天気は思わしくない。

§4.ハイランド登る
 仙台ハイランドリゾートはその名の通り山を登った上にある。それこそトラックは亀さん状態でしか登ることができない。空からは雨が落ちてくる。レースウエイへのゲートをくぐってその奥へ行くと、ダートラコースまであと少しってところで、係員にクルマは積車から下ろして自分で登るようにと指示をされる。雨の中、クルマを下ろす。トラックにタイヤを積んでトラックだけ登ってもらう。さて、自分も行こうとしたら、受付を済ましたか?と聞かれる。実は最初のゲートの所で受付をやっていたらしい。仕方ないのでランサーに乗って戻る。受付をしようとしたらライセンスがいるという(当然!)。ライセンスは・・・トラックのキャビンの中だ。またトラックまで戻る。そしてゲートまで戻ってきてやっとこさ受付を済ますことができた。ふぅ・・・
 そんなこんなでパドックへ向かうと・・・そこは沼であった(笑)。どうやら雨はずっと降っていたらしく、パドックはぐっちゃぐっちゃ。オーノー!なんちゅう全日本デビューじゃ!!

§5.練習走行
 何とかパドック内を整理して練習走行の慣熟へと向かう。本番コースを簡略化したようなレイアウト。以前テストに来た時は濃霧の中でコースも見えずに走っていたのだが、やっとコースの概観がわかった。
 とりあえず、ウエット路面なので、予定通り練習用のタイヤに履き替えて準備を済ます。自分の番が近づいてきたので、車検&出走待ちの列へ。ふとミラーを見ると、渋谷さんとかシードゼッケン勢に囲まれている・・・あぁ、全日本に来たんだ!と実感(笑)
 そうこうしているうちに自分のスタートの時が来た。「練習走行だし。気軽に行こう!」って感じでスタート。1コーナーから失敗してメロメロ・・・グルグルハンドルを回して次!なんて思っていたらこれが思いのほか掘れている!!路面にビックリ!!!ヨレヨレになりながらクリア・・・なんてやってるうちにゴールしてしまった。全くクルマを思う方向へ動かせない。カッコワリーっ!!
 2本目の練習走行も大して変わりませんでした(泣)

§6.そして夜
 練習走行も終わり、みんなで移動することになった。チームオートプロテックのナンバー付きのクルマに分乗。ぼくは055松原実号に乗っての移動。ホテルに着きチェックイン。とりあえず一服するのであった。ビールなんぞ飲みながらゴロゴロしてると、「メシ食いに行くぞ!」と集合。どこへ行くのかと思ったら、街の方へ少し走っていわゆる回転寿司であった。散々食い散らかして(でも安いネタ)帰る段になって、団体が二手に別れた。何だろう?と思っていると、どうやらパチパチ(パチンコ)部隊らしい・・・みんな好きである(笑)。
 我々はホテルに戻りさらに一休み。酔っ払った状態で同じホテルに居ると言うきくりんさんに電話。部屋の場所を聞いてから襲撃!!うららさんとなんだかんだと喋ってるうちにおねむになり、部屋に戻ってバタンキュー。

§7.本番の朝
 朝起きたらすがすがしかった(笑)。そそくさと準備して車に分乗してハイランドに向かう。幸い雨は降っていない。が、パドックに着いたらそこは沼でした・・・パドックを整理してから慣熟歩行へ向かう。
 周りを見ればそりゃぁ全日本ドライバーばっかり。当然である。全日本戦なんだから。2年連続A2チャンピオンに手が届きそうな石井淳選手が「あれ・・・?もしかして出てるの?」とびっくりしている。慣熟歩行中はツナギ姿だったので「いやぁ、サービスですよ。サービス!」とごまかしてしまった(笑)。でも、昨日、公開練習時に目の前通ったじゃないすか>石井さん。
 何とか2周回って、何となくの感覚は掴むことができたが・・・内周テクニカルセクションが思いやられる・・・

§8.1stトライ
 さて、怪しい天候の中、1stトライが始まった。まずはLクラスからだ。レディスと言っても当然だがオトコ顔負けの走りをするのだ。関西の女帝、人見雅子選手の乗る黄色いインプレッサが走る。思わず「負けそう・・・」と呟く。北村さんにニヤッとされてしまった・・・。
 A4クラスの中ほどまで見ると、C3クラスの最初の方のゼッケンである自分はもう準備をしなければいけない。クルマに戻っていつも通りの準備をして、クルマに乗り込む。出走待ちの列に並ぶ。前の方にはA4ラストが控えている。落ち着いて・・・いつも通りに走るんだ・・・道を良く見ろ・・・と自分に言い聞かせる。と、視界の端っこの方で何やらピョコピョコ動いてる。何だろうと思ったら、わざわざ呼び寄せた学生時代の後輩(仙台市在住・モータースポーツとは特に関係無し)だった。悪い天気の中、嫁さんと見に来たと言う。後で行くよ、ってことで再び列に並ぶ。
 それまで何とか降らなかった雨がポツリポツリと落ちてきた。まぁ、土砂降りでなきゃなんでもいいけど。それに霧よりは雨の方が大歓迎!
 そしてスタートラインに付く。軽くレーシング。スタートの旗が振られた。
 気合十分(?)のスタート。が、1コーナー失敗、外周出てビビリが入ってアクセル煽る始末・・・さらに大きなギャップにはまってはじかれてホップ・ステップ・ジャンプしている間にフルターンのポイントまで来てしまった!!慌ててサイドを引くも当然間に合わず。何とか曲がれたけど、もうメロメロ・・・内周のテクニカル部分もへろへろ〜・・・
 終ってみたら・・・やっぱりレディスに負けた!!(泣)

§9.お昼
 1stトライ終了後、観客席に居るはずの後輩のところへ。雨もだんだん強くなってきた。一人、人違いで二人目に正解を発見。何と傘を持ってきていないとのことで地面に敷くシートをかぶってる。初めてお目にかかる嫁さん(元スチュワーデスとのこと)・・・カワイイじゃねぇか!!正直言ってドキドキしちゃったよ。わたしゃ。ダンナはクルマは好きだけどダートラは初めて見る、ってのだから、嫁さんは当然知る由もない。ので、丁寧に解説してあげた。そうこうしているうちに雨足も強くなり、そしてDクラスも終った。後輩&嫁さんにはこんな天気だから適当に帰るように言い、慣熟歩行へ出かけた。
 コントロールタワーの前で計時をやってたtachiさんが「カッコワリーよ」といじめてくれる。いいのいいの。全日本デビューなんだから(本当か!?)一通り歩いてパドックへ戻りお昼ご飯。と思ったが、ここはご当地の一大勢力、チームFさんのパドックへ。ここにはあのわだよういち=魔王様のパドックもある。千葉県在住のジムカーナ屋さんであるきくりんさん&うららさんが今回賄い参加。暖かいものイッパイいただきました。いやぁ、かなり満腹で御満悦でしたよ。

§10.2ndトライ
 2ndトライもA2の頃になると回りは深い霧に被われ始めた。みんなライトを点けて走行している。雨も降ったり止んだり・・・スゴイ天気だ。路面は固いことは固いのだが掴み所のない路面のよう。タイヤの選択とどうやって走るかに頭を悩ます・・・今年B地区のA4チャンピオン代貸=立花選手のところにDクラスの栗本さんと一緒に攻略方法を聞きに行く。聞くには聞いたけど・・・運チャンちゃんと運転できるのか?
 相変わらずパドックの状態は悪い。2nsトライの準備をして見に行こうかなと思ってる時に「バキッ!」と音がするので良く見ると、斜向かいのパドックだった中部の松原功治選手のCJ4Aミラージュが僕のランサーのボロボロのFRPバンパーを引っかけて引き千切ってくれたっ!「こらーっ!」と叫びながらクルマの方へ向かう。とりあえず、その場で示談成立。ノーマルバンパーを頂くことになった。FRPバンパーはとりあえずガムテ技により固定された。
 そして2ndトライ。できるだけ車の中を汚さない様に中に乗り込む。レーシングシューズを中で履き、出走待ちの列へ。FANTASY千葉のホンジャマカ石塚=角田さんが立っていたので軽く会釈して通り過ぎると、なんと走って追いかけてきた。おもむろに窓を開ける。何だろう?と思ってると、しばし沈黙の後・・・「和田さんと間違えちゃった。なんだ、なぞさんか。」オイオイ、どおいう間違いをするんだぁ?(笑)
 そんなこんなでスタートラインへ。1トライ目よりは元気よく走るぞ!と思いスタートしたものの、なかなか路面がわからず思い切って姿勢を変えていけず・・・カッコワリーアクセルワークが続く。内周に入ってからも1速2速・・・スピードが乗らず。最終シケインはなんか初心者がカッコツケタ風なコーナリングになってしまい最悪・・・

§11.帰途
 そんなこんなで終った全日本デビュー戦。帰り道のコンビニで酒と食料を仕入れていると広島軍団がやってきて「積車が落ちた」と言っている。河内さんがうちらの積車が落ちたと思ってびっくりした・・・なんて言っていた。新山さんの言葉を借りれば「はいさよなら〜、って感じ」だったそうな。
 自分は第2ドライバーを勤めて、その前後は酒飲んで寝るだけ・・・我々は無事に地元まで帰り着くことができた。

§12.次の日
 ・・・のだが、一宮に着いたのが月曜日午前6時半。ぼくはその日会社の研修だったので休む訳にはいかず、そのまま研修へ赴いたのだった。催眠効果でよく寝させてもらいました(本当に自己催眠とかの講座だった(笑))


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