1.はじめに
 2015年JAFカップダートラも何とか勝つことができたものの、走りの内容は反省が多いものでした。さらに、Facebook上で走り方について議論が沸騰したため、今現在の私の考えている走り方とクルマのセッティングについて、備忘録的な意味も含めて簡単にまとめておくことにしました。

2.理想とする走り方
今現在考えている走り方は、端的に表現すると以下のとおり。
(1)進入スピードを高く保つ
(2)姿勢の変え始めは極力早く
(3)アングルは浅めで
(4)リアの慣性を立ち上がりにつなげるイメージ

(1)進入スピードを高く保つ
 私の走り方の理想は、意外に思われる方も多いかと思いますが、「ファーストイン・ファーストアウト」です。これは、SC1クラスをFTOで戦っていたときに考えるようになったものです。それは、改造車クラスでありながらノーマルエンジンで戦う(ハイカムとか市販品が無いからね)うえで、勝つためにはどうしたらよいか?という命題に対するひとつの答えでした。
 鎌田卓麻選手のBRZがフワッとコーナーに消えていく姿を見て、やはりこれだ!と、その理想を叶えるべくコーナーに飛び込んだ結果がFTOの最後の転倒でした。ちなみにFTOでは3回転倒していて、前2回はその原因ではありません。
 「ファーストイン」、これの目的とするところはコーナリングスピードの底上げにあります。これは、クルマがDC5インテグラにチェンジしても同じでした。DC5インテグラはFTOに比べたら遥かにトルクもパワーもあるが、トラクションが無いと言われていたからです。トラクションが無いということは、せっかくのエンジントルクが路面に伝わらないことを意味し、それはパワーが無いこととさして意味が変わりがありません。コーナリングスピードを高くなれば、その分コーナーから先の加速量が少なくてよい。すなわち、パワーが少なくてもトラクションが少なくてもライバルと勝負することができる、という考え方です。

(2)姿勢の変え始めは極力早く
(3)アングルは浅めで
 今年の全日本シリーズが終わって、後半戦がボロボロで若手にやられまくった反省から、DC5インテグラでより速く走るためには・・・と考えに考えた結論はこの2つです。
 DC5インテグラはDC2インテグラやEG6、EK9シビックに比べて200kg近く重たい。このため同じコーナリングをしていては絶対に勝てません。とにかく加速区間を長く取り減速区間を短くせねばならない。そう思ったときに、姿勢の変え始めを早くしアクセルを踏んだままで向きを変えるようなイメージで走れないか、と考えました。実際には減速しているのでしょうが、気持ちはアクセル踏んだままのターンです。
 姿勢を変えるとき、FF、特にインテグラのようにリアハッチが重たいクルマは、リアの慣性にクルマが引っ張られてフロントのトラクションが抜けてしまう。これではいくら姿勢が立ち上がりに向いていても効果半減。それを防ぐために、アングルは浅めで姿勢変化はじめることを考えています。
 ちょっとだけ言い方を変えると、姿勢の変え始めを早くし、浅めのスライドアングルでコーナリングすることで、ヨー(yaw)の異なる2つの軸、すなわち回転半径が違う二つの動きを複合してクリッピングポイントに早く到達することができるのではないか。そう考えています。これは、FR、MR、4WDのようにリアが押してくれるクルマであれば、特に浅いアングルという点において、また違う考え方になるかもしれません。

(4)リアの慣性を立ち上がりにつなげるイメージ
 先にリアの慣性がフロントのトラクション抜けにつながるという話をしましたが、実は全ての条件においてそうではないと考えています。条件が成り立つ範囲は狭いと考えていますが、リアの回りこみがフロントの動きにシンクロすれば、FFの立ち上がりのたるさが無くなるのではないかと考えています。ので、ターンスピードと角度は常にコーナーに合わせて考える必要があると思っています。

3.クルマのセッティングと走り方
 上記走りを実現するために、というわけではありませんが、今のうちの車のセッティングの考え方を記しておきます。
 基本はニュートラルステアなクルマを指向しています。ハンドルを切ったら曲がる、そんなクルマです。フロントはハンドル切ったら曲がっていく、リアはそれについてくる、という動き、そんな動きを求めています。スプリング、ダンパー、LSD等、そういう方向で今年はセットを進めてきました。
 その上で、ある意味ダルな特性が求められます。直線でクルマの動きに過敏になり、ハンドルを小刻みに修正しているようではセッティングはもうひとつということになると思います。
 あと、走り方においては、ここ数年は左足ブレーキは使っておらず、きっかけのサイドブレーキもほとんど使っていません(島周りとかパイロンターンみたいのは除く)。今後は理想の走りに向けてこれらの上手な使い方も再度検討していく必要があるようです。
 

4.さいごに
 Facebookのコメントにおいて、技術的な分析を皆様にいただきまして、大変参考になりました。が、現状では上記に書いたことぐらいしか考えてないわけで、まだまだ考える余地があることがわかったのは大きな収穫であったと思います。この場を借りてお礼申し上げます。
 今後ともお気づきの点やアドバイスがあれば、直接でもメールでも何でも優しい言葉でご教授いただきたいと思います。よろしくお願いします。小心者ですぐ凹んでしまうので・・・(^-^;

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